わが町内会地内には縦横に用水路が配置されていますが、元々は水田に水を供給するために人工的に作られた運河で、「河川」というのは当たりません。

自然の川というものは一般には上流が細く、川下に行くほど広くなるものですが、わが町内の用水路幹線はその逆です。

左の写真が川上(遠方に百間川の土手が見える)で、川幅は3メートル以上ありますが、右の写真のように終端付近(新田組地内)では1メートルぐらいしかなく、流断面積は1/3以下に減っています。

これは、上流地区では広い用水から田んぼに水を入れ、順次川下へ水を送るという先人の知恵で、逆に川上の方が狭かったら上流域の田んぼはなかなか潤わず、下流域に水が行き着くのに時間がかかってしまい、村落一斉に田植えがはじめられないという事態が起きてしまったでしょう。

この用水路も、いまではわずか10枚ぐらいの水田に水を供給しているだけで、平素は(下水道未整備地区の)生活廃水の放流と、豪雨時の遊水~放流路へと、その役目は変わってきています。

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(写真、文:小野田)